記事投稿日 : 2020/11/03 ひとり言

塾長のひとり言 現代の子どもたちに必要な力とは

教室にある図鑑を読んでいて、ふと思いました。

私は何者?に答えられるようになったのは、一体いつの時代の人間からなんだろう。誰かが男と女の違いに気付いたのはいつだろう。

色んな植物や動物や、四季や、美味しいもの、海や大陸、星や宇宙の存在を知ったのはいつだろう。

走り方は?泳ぎ方は?運転の仕方は?電話の仕方は?時間や経済や幸せや悲しみの概念に気付いたのは?人が、教育の大切さを知ったのはいつからなのだろう。

16世紀までは「天が動いている」というのが世界の常識だった。アリストテレスのような天才もそう言った。でも、今じゃ中学生だって、それが本当じゃないことを知っている。昔の人に比べて、きっと僕らは多くの「正解」を知っているのだろう。

昔の偉人たちが苦労して知った事実を、現代の子どもたちは、生まれて物心がついたときには知ることが出来る。しかも、大人が子どもの頃にわざわざ図書館へ行って調べていた内容を、今の子どもたちはたった数分で、移動もせずに、驚くほどの速さで手に入れることができる。

それは、とっても恵まれているということなのだろう。

もちろん、怖さや弊害もあるけれど、今を生きている強みは、活かさないより活かしたほうが良いと思う。

というわけで、「最初から多くのことを知ることができる恵まれた時代」に生きる子どもたちが、その事実をどう活かしていくのか、そのために幼い頃から何をすべきなのか、が今日のテーマです。

 

1、読解力をつける

せっかく調べる術はあるのだから、調べたことを「なるほど」と理解できる力が必要です。そのために必要な力が「読解力」です。調べて出てきた文字数を見て「うわ、読むの嫌だ」と思って読まずにいると、せっかく調べた情報が台無しになってしまいます。

「正解」に早く触れられる現代という時代を有効活用するなら、まずは、文章を読む力をつけましょう。

日本語でも英語でも他の言語でもかまいません。子どもの頃から絵本や漫画、小説や新聞などに親しみ、文章を読むことに慣れてしまいましょう。自然に語彙も増えていって、一石二鳥です。

そして、この読解力は、子どもでも大人でも、いつからでも伸ばしていくことができます。遅いということはありません。まずは好きなものや興味のあることから、文章を読んでみることをはじめてみましょう。

また、インターネットの世界には、嘘や間違いも溢れています。それを踏まえた上で、まずはそれを読んでみること。それが真実かどうかを判断するのは、次のステップです。

 

2、活用力を伸ばす

定義には様々な意見があるようですが、

活用力とは、「思考力・判断力・表現力」のことと言い換えて間違いないでしょう。情報を読み取った後、それをどう使うのか、その使い方が上手ければ上手いほど、「活用力が高い」ということになります。

情報が溢れる現代を生きる子どもたちに必要とされている力が、この「活用力」です。得た情報が、果たして「正解」なのかどうかを判断するときに、この「活用力」が必要になります。

実は、この「活用力」の伸ばし方は簡単です。オススメの方法を2つ紹介します。

1つ目の伸ばし方は、「コミュニケーションすること」です。家族や友達、親戚、知り合い、先生、先輩、後輩、恋人…。色々な人との様々なコミュニケーションを通じて、この「活用力」は磨かれていきます。

例となるエピソードを見てみましょう。

 コップに半分水が入っている。
 僕はそれを見て「もう半分しかない」と思った。
 ある友達はそれを「まだ半分ある」と言った。
 なるほど、そんな考え方があるんだなと思った。

 ある日、僕の恋人がコップ半分の水を見て、
 やっぱり「もう半分しかない」と言ったときに、
 「まだ半分あるんだよ」と僕が言ったら、彼女は笑ってくれた。

  

友達とのコミュニケーションが「僕」の活用力を伸ばした例ですね。

2つ目の伸ばし方は、「挑戦すること」です。何事もやってみてわかることがあります。そしてそれは非常に多く重要です。失敗しない人は何もしない人。挑戦をして、成功や失敗から、物事の活用の方法を学び、活用力を伸ばしましょう。

何でもやってみること。大人の皆さん、子どもには何でもやらせてみたほうが良いですよ。失敗してもそこから学べれば大丈夫。それに、意外と彼らは何でもできるのです。

 

3、温故知新の考え方を持つ

「故きを温めて新しきを知る」という言葉が「温故知新」です。昔のことを活かして、そこから新しいモノを生むという考え方です。

冒頭でも言いましたが、過去の多くの偉人たちが悩み苦しんだ問題の正解を、あっという間に僕らは手に入れることができます。物理的に言えば、昔は何年もかかった(もしくは行けなかった)東京からアメリカの移動も、今はたった15時間ほどです。

その「昔の人が良くしてくれたこと」を活かして、「未来をもっと良くすること」が僕たちの使命ではないでしょうか。それが「温故知新」という考え方です。

今まで生きた人たちの知を糧に、よりよい世界を創造する。世の中にはまだまだ色んな問題があります。

・環境破壊せずに人々が暮らしていくには?
・戦争をなくすには?
・他の星に住むには?
・誰もが教育を受けられる世界にするには?
・みんなが幸せに暮らすには?
 

こんな答えを見つけ出すあなたを、世界中が待っているのかもしれません。「温故知新」。これは方法というより、意識のお話です。この考え方を頭の片隅の何処かに置いて、読解力や活用力を育んでいきましょう。

そして、こんな考え方を、大人が子どもに受け継いでいくことが、小さな我々が上記のようなとてつもなく大きな問題に取り組んでいく上で、絶対に必要で大切なことなんじゃないかなぁと思ったりするのです。

  

まとめ

社会や教育のICT化は進んでいます。それも恐るべきスピードで。

スマホやタブレットで何かを調べたり、アプリで勉強の管理をしたりなど、現実にそういった方法で成果を出すことができる時代になりました。

そのとき、重要なのは、各々のメディアリテラシーであり、「読解力」「活用力」「温故知新の考え方」を、きちんと大人が子どもに伝えていくことだと思うのです。簡単なことではありません。それでも諦めずに何度も何度も、何度でも。

それができれば、未来はとっても良くなる気がします。今まで生きてきた大人が、今を生きる子どもたちへ伝え、そして今を生きる子どもたちが、さらに未来を生きる子どもたちへ、知を繋いでいく。

100年後、1000年後、どんな世界が広がっているのか。とっても楽しみですね。

  

本日も出雲市の個別指導塾 すずかけの木へお越しいただきありがとうございました。素晴らしい未来でありますように。