記事投稿日 : 2020/11/28 ひとり言

塾長のひとり言 生徒たちに伝えたいタイムマネジメント術!

最近の中高生は大忙しです。

学校、部活、塾、お家のお手伝い、友達との時間、自分の時間、人によってはアルバイトなどなど・・・。一日が24時間では足りないくらいです。

でも、覚えておいて欲しい。大人になったって忙しい。

今は、忙しい中で、楽しく充実した自分の人生を過ごすための練習期間。

そして、さっきから忙しい忙しいと話し(書き)まくっていますが、「忙しい」って心を亡くすと書くでしょ。大人たちの世界には、「忙しい、忙しい」って言う人は、大して忙しくないという説があります。

本当に忙しい人は、心を亡くさずに自分の人生を目一杯生きているものです。「忙しい」なんて言っている時間があったら、時間の使い方を見直して、修正して、自分らしい人生を歩んでいるのです。

最近の中高生は大忙しです。

だから、大人たちから時間の使い方を学び盗みましょう。今日はそんなお話です。

 

タイムマネジメントの大前提

「時間の使い方の管理」を格好良く言えば、タイムマネジメントとなります。

以前にもTIME!シリーズの中でお話しましたが、改めてタイムマネジメントとは何かを説明しておきましょう。こんなお話があります。「壺の話」。

ある大学でこんな授業があったという。
 
 
「クイズの時間だ」教授はそう言って、大きな壺を取り出し教壇に置いた。
その壺に、教授は一つ一つ岩を詰めた。
壺がいっぱいになるまで岩を詰めて、教授は学生に聞いた。
 
「この壺は満杯か?」教室中の学生が「はい」と答えた。
 
「本当に?」と言いながら教授は、教壇の下からバケツをいっぱいの砂利を取り出した。
そして砂利を壺の中に流し込み、壺を振りながら、岩と岩の間を砂利で埋めていく。
そしてもう一度聞いた。「この壺は満杯か?」。
 
学生は答えられない。
一人の学生が「多分違うだろう」と答えた。
 
教授は「そうだ」と笑い、今度は教壇の陰から砂の入ったバケツを取り出した。
それを岩と砂利の隙間に流し込んだ後、三度目の質問を投げかけた。
 
「この壺はこれでいっぱいになったか?」学生は声を揃えて、「いや」と答えた。
 
教授は水差しを取り出し、壺の縁までなみなみと注いだ。
教授は学生に最後の質問を投げかける。
「僕が何を言いたいのかわかるだろうか」
 
一人の学生が手を挙げた。
「どんなにスケジュールが厳しい時でも、最大限努力すれば、
いつでも予定を詰め込むことは可能だということです」。
 
「それは違う」と教授は言った。
「重要なポイントはそこにはないんだよ。
この例が私たちに示してくれる真実は、
大きな岩を先に入れないかぎり、それが入る余地は、その後二度とないということなんだ」。
 
「君たちの人生にとって“大きな岩”とは何だろう」と教授は話し始める。
「それは、仕事であったり、志であったり、愛する人であったり、家庭であったり、自分の夢であったり・・・。
  
ここで言う“大きな岩”とは、君たちにとって一番大事なものだ。
それを最初に壺の中に入れなさい。
さもないと、君たちはそれを永遠に失うことになる。
  
もし、君たちが小さな砂利や砂や、つまり自分にとって重要性の低いものから自分の壺を満たしていけば、
君たちの人生は重要でない『何か』に満たされたものになるだろう。
 
そして大きな岩、つまり自分にとって一番大事なものに割く時間を失い、
その結果それ自体を失うだろう。
  
 

タイムマネジメントとは、あなたにとって“大きな岩”を明確にし、それ以外に隙間を埋めるものをなるべく無くすことです。どうせ頑張るのなら、その使い方を見つめ直して、力の入れ所を考えてから、頑張りましょう。

なんだか難しそうですか?大丈夫。それはとってもシンプルなことです。

使いたいことに時間を使って、使いたくないことにはなるべく時間を使わないようにする。

ね、簡単でしょう。では、その方法について説明していきましょう。ポイントはたったの5つです。

 

タイムマネジメントのコツ① 軸を持つ

まず大事なことは、あなたにとっての“大きな岩”を見つけることです。「人生において大切なもの」ってことです。それが時間の使い方を考える上での軸となります。

ただ、急に「人生において大切なもの」なんて言われてもなかなか見つからないでしょう。中高生はもちろん、大人だってそれを明確にするのは難しいものです。

だから、ここでは中高生たちにオススメの「人生において大切なもの」を紹介しておきます。

それは「勉強」です。

「おいおい、マジかよ」と思ったあなた、別に塾だからそう言っているわけではありません。ちょっと考えてみてください。

人生において大切なもの」が見つかっている人は、そこに時間を費やせばいいのです。ゲームだったり、スポーツだったり。もちろん、子どものうちは「楽しい!」とか「楽!」に流されてしまいがちですから、両親や周りの信頼できる大人と相談して最終決定すると良いでしょう。

しかし、ほとんどの人が自分の「人生において大切なもの」なんて、まだ見つかっていないはずです。

そんなときに自分の人生の選択肢を一番に広げてくれるものが「勉強」です。勉強しておけば、進路選択の幅が広がります。また、勉強の中身は「人生において大切なもの」探しの材料やヒントになります。勉強の仕方を身につけておけば、いざやりたいことが見つかったときに役に立ちます。

ほらね、しておいて損はないでしょう。

「勉強」でも、その他の「人生において大切なもの」でも、あなたにとっての“大きな岩”が決まれば、そこに時間をできる限り投入するのが、最高の選択です。

「人生において大切なもの」にかける時間ですから、最初のうちは効率や生産性なんて気にしなくていいです。時間をかければかけるほど、上手にできるようになって達成感や成功体験も味わえます。それに、自然に効率だって良くなっていきます。

あとは、その「人生において大切なもの」にしっかり時間を使えるように、壺の中の隙間を無くしているものを減らしていきましょう。あなたの大切な人生の中で、優先度が低いことに使っている時間を減らしていくのです。

また、ゆくゆくは同じ「人生において大切なもの」のために使う時間の中でも、さらに細かな目的や目標達成に向けた時間の使い方をすることが大切になってきます。

そのために、以下の4つのポイントを参考にしてみてください。

タイムマネジメントのコツ② 行動をチェックする

まずは、隙間に何が詰まっているのかのチェックです。何に時間を使っているのかを知らなければ、タイムマネジメントは上手くいきません。

自分の一日や1週間や一ヶ月を見直してみましょう。何かに書いたほうがわかりやすいです。手帳でもカレンダーでもチラシの裏でも構いません。

なるべく細かく書くことがことです。

「イカのゲーム 75分」
「塾 120分」
「自転車で移動 30分」
「YouTube 45分」
「学校の宿題 35分」
「睡眠 480分(7時間)」
 

こんな風にどんどん書いていってください。

「書いたら怒られるやつは書きたくない」禁止です。これを見て怒る誰かはいません(ね、保護者の皆様)。ありのままを書いてみましょう。

ちなみに、ちょっと話は逸れますが、大人にとっても子どもにとっても遊び時間は大切です。ゲームや読書やスマホをいじったり、誰かと話したりすることだって大切な時間です。問題は、そこばかりに時間を使ってしまって、「人生において大切なもの」に時間が使えないことにあります。やり過ぎ注意、ということです。

効果的な節約が、自分が使ったお金をメモすることから始まるように、効果的なダイエットが、自分の食べたものを記しておくから始まるように、効果的なタイムマネジメントは、自分が使った時間を知ることから始まります。

さぁ、まずは自分の行動を振り返り、一日分でも書き出したら次へ進みましょう。

タイムマネジメントのコツ③ やらないことを決める

一日の時間は限られています。

24時間。分にすれば1,440分。秒にすれば86,400秒です。

刻一刻と減り続ける大切な時間ですから、敢えて強めに言えば、無駄なことに使っている暇はありません。

だから、やらないことを決めるのです。

まずは自分にとってやらないこととは何なのか、上記の自身の行動をチェックしたものを使って考えてみましょう。

チェックしてみて、「これは使いすぎだな」と思うものを削っていくのです。

「あ、ここはゲームやりすぎ。ゲームは一週間に90分にしよう」とか、
「うーん、捨てがたいけど読書は一日30分にしないと寝る時間がなくなる」とか、
「ん、ここのスマホは無しがいい。寝室にはスマホ無し!」とか、
 

自分に合った時間の使い方を定めていきましょう。コツは削りやすいものから削っていくことです。

ここで、注意点が一つ。「睡眠時間」を削るのは絶対にやめましょう。中高生のあなた達にとって、「睡眠時間」は最も大切と言っても過言ではない時間です。「人生において大切なもの」を大切にする上でも重要です。健康でなければ何にも大切にできないですからね。

「睡眠時間」が削られそうになったら、部活や塾など「削りにくい時間」にメスを入れてみるのも手です。それも踏まえて、自身の時間の使い方を見直してみましょう。

ただし、これが自分でできる中高生はそもそも時間の使い方に困っていない可能性が高いです。

一人で考えるのが難しいようなら、ここは一つ信頼できる大人に相談して、一緒に時間の使い方を決めましょう。

大人側はそのときに「ゲームここ多い」や「スマホ(ゲーム)はもう捨てるね」など闇雲に責めないようにしてあげてください。もしも責めそうになったら、自分の胸に手を当ててみてください。大人だって、思う通りに時間を使うことは難しいはずです。

あくまで大事なことは、お互いに納得して時間の使い方を決めること。そこで大事になってくるのが上記の「」です。

そこさえブレなければ、双方にとって納得のいく「時間の使い方の目標」が定まってくるでしょう。優先すべきは「」に沿った時間の使い方です。

もしも悩んでグルグルし始めたら、軸を指標にして、そこに沿っていない時間はバッサリと一気に削ってしまいましょう。

削って「あ、やっぱり必要だ」と思えば、あとから増やせばいいだけです。

ただし、一度削ってしまうと効果がなくなってしまうものが世の中にはたくさんあります。だから、自身でそこの判断が難しければ必ず大人に相談をすること。

使えるものはすべて使って、自分が掲げた「時間の使い方の目標」達成を目指しましょう。

ここからは、その「目標達成」に向けて使える、オススメの方法論です。

タイムマネジメントのコツ④ すぐやる

何事も早く終わらせる一番の方法は、すぐやることです。

すぐやらないと、頭の中にはずっと負荷が残り続けますし、いざやろうというときに思い出す手間が増えます。いいことはありません。

もしも何らかの理由ですぐやることができないのであれば、なぜできないのかを明確にして、次はすぐにできるように仕組みを整えてしまいましょう。

「学校でもらったプリントをやろうと思ったけど机の上が汚い。プリントもどこへ行ったかわからない・・・」 → 「整理整頓。すぐやろうと思ってすぐやれる体制づくりを」

「苦手な作文が出た」 → 「まずは滅茶苦茶でいいから書いてみる。誰かに見せれば添削してもらえるかも。書き出せばアイディアが湧いてくるかも。手を動かせば閃きが生まれる」

すぐやることで、課題や必要なものに早めに気付けます。

繰り返しになりますが、時間は有限。迷ったらやってみて、そこから修正していけばいいのです。

まずは、すぐやる。そこから考えていく癖をつけておきましょう。将来、お仕事でも大いに役立つはずです。

タイムマネジメントのコツ⑤ カスタマイズする

ここまでをまとめてみましょう。

「軸を持つ」→「行動をチェックする」→「やらないことを決める」→「(やることは)すぐやる」

これがタイムマネジメントにおける重要な4つの要素です。

例えば、成果を出したい営業マンがいれば、成果を出すための行動(リフレッシュなども含む)になるべく時間を使って、逆に成果を出しにくくする行動には時間を使わないようにするべきです。

理屈としてはこんな風にシンプルなのですが、いざやろうとすると、誰もがその難しさを実感するはずです。人間って弱い生き物ですからね。だから、まずやってみて、その難しさにぶち当たりましょう。できなくていいです。当たり前です。

勝負はそこからです。

やってみて、やっぱり難しかった。そこから、あなたの物語は始まるのです。

だから最後のポイントは「カスタマイズする」です。

上記の流れを、あなた風にアレンジするのです。やりやすいように、できるように、ちょっと形やルールを変えて、実際の日々に活かせるようにするのです。

世の中のほとんどのことが思い描いたようにはいきません。思い描いたようにいけば大成功です。自分を目一杯褒めてあげましょう。

思い描いたようにいかない、そんなときこそが成長のチャンスです。そこからカスタマイズして、今の自分用の時間の使い方を見つけましょう。

大丈夫。ちょとずつ、ちょっとずつ。あなたは変わっていける。あなたの人生は、あなたにとって良くなっていく。そのための頑張り方を、中高生のうちにきちんと知っておきましょうね。

このひとり言が、そのためのヒントになったら幸いです。

まとめ

さぁ、ここまで長々話してきましたが、最後に衝撃の事実を発表しておきます。

きっとこの話を聞いて欲しい当人たちは、この話を聞いて(読んで)はくれないでしょう。

ここまでこの話にお付き合いしていただいた方々は、ちょっと余裕のある元々意識の高い方々かと存じます。

どうか、そんな方々が、身近にいる「この話を聞いて欲しい当人たち」に、自分らしい人生の生き方、つまり自分らしい時間の使い方を、やさしく丁寧にお伝えいただければと思います。

人生は、長く見積もっても、たった100年。その100年をどう生きるか、幸い今の日本ではそれをある程度自分で選ぶことができます。

どうせなら、自分で選ぶ、自分らしい最高の人生を。

そして、そうできる人が一人でも多い世の中になりますように。

そんな願いを込めたひとり言でした。

僕も僕の時間を大切にします。

 

本日も出雲市の個別指導塾 すずかけの木へお越しいただきありがとうございました。「明日死ぬかのように生きよ。永遠に生きるかのように学べ。」とガンジーは言った。