記事投稿日 : 2021/06/14 ひとり言

『残酷すぎる成功法則』がすごかった!

満を持してというと聞こえはいいですが、単に僕自身の準備不足なだけで、この度やっと読みました。

そしたら、もう凄いのなんのって。分厚く、さらに文庫本には、50ページ超におよび著者の最新メールマガジンまで収録されていましたが、最後まで飽きることなく読める一冊でした。

 

残酷するぎる成功法則  エリック・バーカー著

今年、最も多くの衝撃と学びを得た本と言っても過言ではない。

そして、多くの笑いと、多くの感動もあり、人に紹介したい一冊。

『残酷するぎる成功法則 9割まちがえる「その常識」を科学する』は、そんな革命的な本である。

この本の著者のエリック・バーカーは、

大学を卒業してハリウッドで脚本の仕事をしたあと、2009年から個人ホームページの運営をはじめた、人気ブロガーです。

この本の魅力は、各々の成功法則に「証拠(エビデンス)」が示されていること。

例えば、『億万長者になるには』という項では、「高校の首席は億万長者になれない」等の論が、実例や証拠付きで示されていく。

そして、その事例の示され方が物語としてすごく面白い。

 

『天才の正体』の項の主役は、「あなたは上体が長すぎるし、足が短すぎるうえ、両手両足も大きすぎて、腕がひょろ長いですね」と言われる男。彼はうまく踊れないし、走るのも苦手。でも、水中では飛び抜けた才覚を発揮して、オリンピック史上最多のメダルを獲得した。

男の名は、マイケル・フェルプスといった。

 

そんな事例がいくつも紹介され、「天才とは、多くの欠点がある人のことだ」を証明してくれる。欠点があるからこそ、その人は自らの時間の使い道を絞り、更に高みへと昇りやすくなるのだと。

 

ときには、海賊やマフィアがロールモデルとなり、私たちがどうすれば成功できるのかを示してくれる。第二次世界大戦のレーダーの開発秘話が現代のネットワークの結びつきへの忠告になることもあれば、スーパーマリオが世界で最も過酷と言われる訓練を乗り越えるヒントになったりもする。

 

『いい人と悪い人、どっちが得をする』の項では、見事に僕の常識が打ち砕かれた。だけど、心のどこかで「やっぱりな」という想いもあった。

著者の決してどちらの視点に寄ることもない語り口が、余計に事実を事実として受け入れやすくさせてくれる。

それにとっても読みやすい。中学生でも余裕でいけるかもしれない。ただし、学校の15分程度の朝読書でよむ場合は注意が必要だ。続きが気になって授業に集中できない可能性があるからだ。

 

ここに書いてあることは「知らなくても損はしない」知識ではない。「知らないと損をする知識」だ。

紹介したいエピソードがいくつも載っているが(特に好きなものが冒険家とシールズとチェスのチャンピオンの話)、単に知識を得るだけでなく、大いに楽しめるのもこの本の特徴だ。何度笑ったかわからない。文庫版特別付録では「コロナ禍」の今、私たちがすべきことが載っている。すべてなるほどと思えると同時に、すぐに実践できることばかり。

そして、読んだあなたは、今よりちょっとだけ饒舌になるだろう。誰かに話したいお話をいっぱい抱えて、あなたはきっと陽気になるはずだ。

タイトルには「残酷すぎる」とあるが、それは決して冷酷だとかむごいとか、そういうことではない。感情が入っていないから、むしろどこか小気味良いテンポで読めて、多彩な物語の数々に心躍ることもしばしばだ。

そして、なぜかとても温かい。心はあんまりこもっていないのに、ハートフルなのだ。

また、帯に書いてある例よりよ興味深い内容がたくさんあった。

ビジネスマンはもちろん、教育者やお父さんお母さんにも読んでほしいな。

あ、生徒自身にももちろん読んでほしいと思います。

 

本日も出雲市の個別指導塾 すずかけの木へお越しいただきありがとうございました。興味があれば本屋さんでペラペラめくってみてください。すぐに引き込まれますよ。