コミュニケーションというのは、難しいものです。
特に、日本語というのは、同音異義語も多く、敬語や活用といった文法自体も、世界中の言語と比べて難しいと言われています。
その代わり、些細な心の機微や考えを伝えるのに、とっても適した言語と言えます。
だから、使う難易度としては、もちろん上がりますね。
また、コミュニケーションの内訳では、身振り手振りや表情などのノンバーバルコミュニケーションが約7割を占め、言葉を使った言語的なコミュニケーション(バーバルコミュニケーション)は、たったの3割だといいます。
だけどその3割がものすごく大事なことに、もうあなたもお気付きですね。
今回のテーマは“日本語コミュニケーション”。
面白い物語を使って、その危うさと面白さをお伝えします。
まずはこちらのお話をご覧ください。
警官:「寄生虫なので、できれば引き返して最初の信号を右に行ってください」 ぼく:「えっ」 警官:「寄生虫ですから、引き返してください」 ぼく:「なにそれ、ひどい」 警官:「えっ」 ぼく:「ぼくが寄生虫ってことですか」 警官:「寄生してるのは警察ですよ。寄生してるので重体なんです」 ぼく:「えっ」 警官:「えっ」 ぼく:「だれが重体ですか」 警官:「誰というか、まぁここを通った人全員ですかね」 ぼく:「あなたも僕に寄生しますか」 警官:「えーとね、あのですね、この先でトラックが横転して積荷が産卵したんですよ」 ぼく:「えっ」 警官:「つまり事故ですね」 ぼく:「何が産卵したんですか」 警官:「精肉業者のトラックで、冷凍された肉が産卵したみたいです」 ぼく:「なにそれ、やばい」 警官:「ええ」 ぼく:「重体の人は大丈夫ですか」 警官:「えっと、まぁ寄生虫とはいえゆっくり動いてはいますから」 ぼく:「なにそれ、こわい」 警官:「えっ」 ぼく:「えっ」 警官:「とにかく、先ほどから警察が現場の方で超刺してますから」 ぼく:「なに、それもこわい」 警官:「えっ」 ぼく:「えっ」
……おわかりでしょうか?
これは、渋滞を規制中の警官と、ある運転手との会話です。
「規制中」→「寄生虫」 「渋滞」→「重体」 「散乱」→「産卵」 「調査している」→「超刺している」
と、誤字のオンパレードですね。おかげでとんでもない物語になっています。
だけど、ここまでではないにしろ、日常的にこういったことが起こりうる確率が高いのが、日本語を使ったコミュニケーションです。
同意するときにも断るときにも「大丈夫です」を使ったり、意味の取りにくい外来語や省略された言葉を多用したりする人、いませんか?
けっこういますよね。
こんな風に、(良く言えば)私たちは日常的に難解なコミュニケーションを駆使しているのです。
自分の身の回りにも容易に起こりうる、言葉の勘違い。気を付けなければなりませんね。十分に用心しなければなりません。
ただ、それも、お互いに認め合う気持ちや尊重する意識があれば、笑い話や学びになる。かもしれない。
そういう意味では、うまくいかなかったコミュニケーションさえも、一つのチャレンジの証だといえるのではないでしょうか。
失敗して、そこから学ぶこともある。コミュニケーションの間違いを恐れすぎて、コミュニケーションを取らなくなる方がなんだか怖い気もします。
ならば、失敗してもいいじゃない、と少し気楽な気持ちで、折角の素敵な日本語でのコミュニケーションを楽しんでみたいものです。
本日も出雲市の個別指導塾 すずかけの木へお越しいただきありがとうございました。 コミュニケーションとは、難しいもの。でも、だからこそ、面白い。