記事投稿日 : 2022/01/03 ひとり言

家庭学習を望む親に知って欲しい、家で勉強してもらう為の5つのコツ

現代では、「お家で勉強する」ということは、どんどん困難なことになっています。

特に、勉強が苦手な子や勉強に対してネガティブな感情を持っている子は、なかなかお家で習慣的に勉強に取り組むことができません。

理由の一つは、誘惑の多さです。テレビ、スマホ、本、柔らかいお布団…勉強よりも魅力的なものがお家にはたくさんあります。これはもちろん悪いことではありません。家は基本的には心や体を休める場所ですからね。

また、共働きのご家庭が増えているというのも理由の一つに挙げられるでしょう。勉強を見てあげたり監督できる大人がいないということです。

その他にも家で勉強できない理由は色々ありそうですが、今回はそこが本題ではないのでここまでにしておきます。

今回のテーマは「家で勉強してもらう為の5つのコツ」です。

逆に言えば、この5つのポイントが揃ってないようであれば、無理に家で勉強させないのも手だと僕は考えています。

実際に、家庭の状況を聞いて「うん、それなら塾で自習をして、家はゆっくり休むスペースにしなさい」と伝える子もいます。

そんなこんなを踏まえて、一意見としてご覧いただければ幸いです。

 

家で勉強してもらう為の5つのコツを書くきっかけ

この5つのコツは、知人と話してるときに、いくつか出てきた家庭学習のコツをまとめたものです。

その話の中で出てきたエピソードが衝撃的でした。

簡単にまとめてご紹介します。

とあるご家庭のお子さんは、家庭学習の猛者。リビングで親が心配するぐらい勉強するそうです。

そんなお子さんのお母様と面談中のお話がこちら。

「いや、大人だって家で仕事するってなったらゲンナリしますよね。少なくとも私は嫌です。一回娘に、家で勉強するの嫌だなって思わないの?って聞いてみたんです。そしたら、驚きの答えが返ってきたんです」

聞き逃すまいと僕は集中して次の言葉を待ちます。

「顔洗ったりするのに嫌も何もなくない?」

思わず僕も「おお」と唸ってしまいました。勉強と顔を洗うことが同じとは。当たり前になっているということ、少し格好つけて言うと、上手に習慣化できているということですね。

そうなるためには、どんなことが必要なのでしょうか。

 

コツ1 勉強にネガティブ感を持たせない

稀に「勉強?顔を洗うのと同じだよ」や「勉強ってゲームみたいなもんじゃん」なんて子と出会いますが、それはとってもとっても特殊な事例でしょう。

そこまでを狙いましょうなんて言いません。だけど、勉強に対して必要以上にネガティブにさせないことは、家庭学習してもらう上でとっても大事です。個人的には、最低でも「きついけど、やらなきゃいけないもの」くらいに思ってくれたらいいんじゃないかなと思います。

逆に言えば、家で勉強しない子のほとんどが、勉強をネガティブなものと捉えている気がします。まぁ、気持ちはわかりますがね。

人間って感情の生き物。感情を殺して嫌なことに立ち向かうということは、大人でも子どもでも難しいことです。

というわけで、家庭学習に向けて親御さんができることとしては、勉強に対しての気持ちをあんまりネガティブにさせないこと

方法論としては以下のように色々挙げられますが、これをやったら必ずOK!これは絶対ダメ!というものではありません。

例えば一番最初に挙げた「なるべく勉強しろと言わない」だって、誰がいつどんな風に言うかでその意味合いが変わってきます。関係性が良好であれば、それは的確な指示や冗談になるかもしれません。反抗期などで関係性が良くなければ、あえて逆のことを言ってみたりするのも手かもしれませんね。

大事なのは「目的」です。

一般論含めいくつか載せておきますので、「目的」にあわせて使用する際の参考になれば幸いです。

 ・なるべく勉強しろと言わない(受動的なものより能動的なものの方が人は楽しめる)
 ・やらないときばかりかまうのをやめる(注意する=かまわれると思ってその行動が強化される)
 ・勉強している姿を褒める
 ・親自身が勉強している姿を見せる
 ・勉強と絡めた面白い話をしてあげる
 ・的確な説明で「わかる!」「できる!」を増やす
 ・人が動く要素「希望」「危機感」「正しさ」「気持ちよさ」「人の想い」をうまく使う
 

 

コツ2 環境を整える

次に親御さんがやるべきは、環境を整えることです。

子どもが勉強に集中できる環境というのはどんなものでしょう。もちろん個人差はありますが、大体のイメージは似てくるのではないでしょうか。

適度に静かで、安心感があって、誘惑が少なくて、汚くなくて……そんなイメージに添わせて場所を作ってあげましょう。自分の部屋でもリビングでもいいと思います。

ただ、ここでの注意点は、やっぱり誘惑。テレビやスマホなんかが一番の敵ですよね。場合によってはルールが必要ですが、それで縛り付けてしまうのも勉強をネガティブなものへと変える悪手になってしまいます。

しっかり話し合って、お互いが納得するルールを築いていきましょう。対話が大事です。そのルールがなんのためかもきちんと伝えてみてください。ルールとは、元々何かを守るためにあるのですからね。

 

 

コツ3 一人でできる正しい勉強法を知ってもらう

自習というのは、これが結構難しいものです。

初めのうちはただ単に机に向かうだけでも立派ですが、慣れてきたら中身や方法にも気をつけたいところですよね。高校生の自習でも「時間をかけたけど、結局何やってたんだっけ?」みたいなこともよくあります。

どうせやるなら、効果的なものにしたい。「家庭学習する」→「結果が出る」→「もっと家庭学習する」みたいなサイクルになったら理想的ですよね。

正しい勉強法とは?には色んな意見があると思います。

ありがちなのは、あんまり効果的でないことに時間をかけていたり、解答がなくて丸付けができなかったり、嘘の丸付けをしたり、丸付けして間違えた問題をそのまま放ったらしにしたり……。

これが続くと、実力や成績は上がりませんので、結局「勉強の仕方わかんないし」→「やっても意味ない」→「家庭学習しない」の悪循環となってしまいます。

一度勉強の仕方を見失った子が、ここができるようになるまでは、塾ですらかなりの根気と時間を要します。

「目的」とあわせて勉強の仕方を伝えて、自分一人でレベル上げができるようになってもらいましょう。

ただ、難しいのは、ある程度自分で迷ったり悩ませたりすることも大切だということです。それに「こうやりなさい」になってしまえば、上述の通り、能動的ではなく受動となり面白くなくなってしまいます。

伝える際の適度な距離感も大事です。ここについては後ほど詳しく述べます。

 

 

コツ4 習慣を味方にする

冒頭の例のように、勉強が習慣になってしまえば安心です。

習慣になるということは、当たり前になるということ。そこまでになれば、同じことをやるのに使うパワーも時間もどんどん減らせます。レベルアップしていくのはもちろん、続けるのが楽ちんになるわけですね。

この習慣を作るために親御さんがした方がいいことは、時間の管理です。習慣にするということは、毎日触れるということ。つまり、そもそも毎日触れる時間がなくてはいけません。

本人だけではどうにもならない日々の時間の使い方を、ちょっと手助けして、調整してあげてください。

オススメは、親御さん自身の習慣にあわせて勉強の時間をとること。料理や洗濯や読書タイムやご自身の勉強にあわせて勉強時間を確保することで、自分もお子さんも動きやすくなります。

習慣を味方につけて、素敵な勉強ライフを目指しましょう。

 

 

コツ5 大前提を忘れない

子どもにとって、親の存在というのは大きなものです。

大きな存在ですから、子どもはやっぱり親御さんのことをよく見ています。

良いことも、悪いことも、見ていないようで、ちゃんと見ている。だから、自身が勉強している姿を見せたりするのは効果的なんですね。

逆も考えてみましょう。親にとって、子どもの存在というのは、これまたとてつもなく大きなものです。

大きな存在ですから、親御さんもやはり子どものことをよく見ているでしょう。

生まれたとき、「生まれてきてくれてありがとう」。初めてのハイハイ、初めての一人立ち、初めての言葉、初めての自転車、入学、テスト、発表会……

そんな風に時が流れていくうちに、いつの間にか「生まれてきてくれてありがとう」がおざなりになってしまって、行動や結果を褒めるばかりになってしまうこともあります。

「あなたがいるだけでいいよ」

語弊を恐れずに言えば、そんな大前提に立ち返れば、自宅学習しているかしていないかなんて些細なことです。

そんな「あなたがいるだけでいいよ」「家庭学習?やってもやらなくてもいいよ、あなたに任せるよ」という空気感が、子どもが気持ちよく家庭学習できる空気感なのかなぁと、個人的には思う次第です。

 

 

まとめ

親御さんは、家庭学習をしてもらう為に、適度な距離感を測り、適切なタイミングで褒め、たまに叱り、自分も頑張り、環境を用意し、コントロールをし、時に方法を伝え、時に自由にやらせ、ちゃんと「愛してる」と伝え、いざというときは助ける、ということが大事です。

うん、話ながら(書きながら)思いました。

 

これってめっちゃ大変じゃん。

やはり現代において、もともと家庭学習の習慣がない子にその習慣をつけさせるというのは、難しいことなのかもしれません。

「え?じゃあどうすればいいの」となったら、大人だって「目的」に立ち返りましょう。

「家で勉強すること」が目的でなく、「成長すること」が目的ならば、家庭学習にこだわらず学校や塾で勉強してきてもらうというのも手なのかもしれません。そこで第三者の手を借りて、家庭学習の時間を増やすという逆説的な方法もあります。

子どもにとって、どんな学習スタイルがベストなのか。味方は必ずいるはずです。さ、一緒に考えていきましょう。

 

本日も出雲市の個別指導塾 すずかけの木へお越しいただきありがとうございました。
答えはいつも一つじゃない。