たまに「問題解いた」と言って、問題を解きっぱなしで終わってしまっている子を見かけます。そんなとき僕は、「お、本当に問題を解いただけだな。正直でよろしい」とは言わず、「ここで終わってしまってたらもったいないよ」と言います。
それでは一体何がもったいないのでしょう。今回はそのあたりを突き詰めていきたいと思います。
なぜ丸付けをするのか
①自信にするため
丸がいっぱいつくと嬉しいですよね。勉強に対する負の感情を軽くするためには、成功体験の存在が重要です。丸付けには、そんな成功体験を得られる絶好の機会です。「合ってる!」「合ってる!」「合ってる!」(お、できるぞ!)
そうやって自信や自己効力感が高まっていきます。
大人にとっても、子どもにとっても、可視化する(目に見える状態にする)とわかりやすいんですよね。これをやらない手はありません。
まぁ、十分に心に力がついてきたら、丸はつけないという人もいるんですけどね。そのカスタマイズは人それぞれでいいと思います。
ただ、丸付けの真の意義、本当に重要な事はここからです。
②間違いを見つけるチェック機能
そう、丸付けはチェック機能の役目を果たすのです。
例えば、5×5=35と書いたとしましょう。丸付けをしなければ永遠にこのミスに気付くことはありません。
もしかしたら、大人になって、大事な面接で「君は5×5はわかるかね」と訊かれて「35!」と自信満々に答えてしまうかもしれません。怖いです、恐ろしいです。
もしくは、ただの凡ミスだとしても、その凡ミスの理由をはっきりさせずに進んでしまったら、大事な入試の1問目にある似たようなかけ算問題を間違えてしまうかもしれません。怖いです、恐ろしいです。
そんな恐ろしい事態を招かないためのチェック機能が、丸付けです。丸付けをしながら、間違った問題にはチェックをしておきましょう。
さらに言えば、丸付けは、丸を付けることより、丸が付かない問題を見つけることが重要なのです。
成長は、自分の出来なかったことが出来るようになったときに訪れます。
だから、成長のためには、まず自分の出来ないところを見つけないといけないわけです。で、それが丸が付かなかった問題、チェックをした問題、つまり間違いなのです。
間違いを見つけたら、理由を考えて、そこから解決策を考えます。
ここが大切です。
とても大事なので、赤くしました。
先程の問題であれば、「あれ?5×5って25だよな。なんで間違えたんだ。そうか、上に書いてある7×5と見間違えたのか。俺ってこんなこと多いなぁ。目線の移動苦手だ。これは場合によっては線引きながら読まんといけんなぁ」や「九九曖昧。もう一回全部言ってみよ」みたいな感じです。
問題が解決出来たら、はい、成長。そうやって、一歩一歩ステージを上がっていくのです。
そして、その過程のことを【勉強】と呼びます。
つまり、丸付けもしないで放ったらかしている子は、勉強ではなくて、ただ解いているだけなのです。自分の出した答えに対して興味がないのと同じです。終わればいいやと、誰かにやらされてやっている、受動的にやっているわけですね。この気持ちが危険です。
自分からやっている子、能動的にやっている子は、解いた問題の答えが気になります。もう気になって気になって、早く答え合わせをしたがるのです。この気持ちが大事です。
他にも、こういう気持ちの子もいます。「間違いを見つけるのが怖い」。いや、前で話した通り、見つけない方がもっと怖いのです。
そういう子は、「間違いは悪いこと」という先入観が強すぎるんですよね。これは意識改革が必要です。間違いは悪いことじゃないと、発想の転換をする必要があります。
間違いは、あなたをまた一つ次のステージへ導いてくれる、いわばあなたの最高の味方です。あなたが必死になって問題に立ち向かった末に手に入れられる、大事な宝物です。
どうか、それを無駄にしないようにしてください。
放ったらかしにしないようにしてください。
それにね、失敗しない人は、何もしない人。
大人になって、何にも挑戦できない人にならないように、子どものうちにどんどんチャレンジすることに慣れておきましょう。
さらに、間違いをチェックしておけば、復習も楽なんです。なぜなら、そこだけ復習すればいいからです。全部やらなくて済みます。
それでは、まとめます。
丸付けをしたら、
○→自信や自己効力感になって、どんどん勉強に立ち向かいやすくなる
✕→間違いから課題が見つかり解決出来たら成長できる
悪いことなんてないよね。
丸付けがちゃんとできる人は、伸びます。間違いないです。
本日も出雲市の個別指導塾 すずかけの木へお越しいただきありがとうございました。 ちなみに、丸を赤色で付けるのは、昔、朱色の墨がコストを抑えて作れたことと、見やすいからという理由が濃厚らしいですよ。