「受験対策」は中学3年生、高校3年生からではありません。中学1年生から始まっています。なぜなら、入試には「内申点(評定平均)」が影響するからです。簡単に言うと、通知表の数字(1~5段階)ですね。通知表は中学1年生の1学期からつけられます。この数字が後々の受験に影響するのです。だから、受験は中学1年生から始まっていると言っても過言ではないのです。
そこで、今回は「内申点を上げるための4つのポイント」について紹介していきます。すぐにでも実践できるので参考になれば幸いです。
その前に、内申点の評価(1~5段階)についての予備知識です。
評価の仕方は、「相対評価」から「絶対評価」へと変わりました。
「相対評価」は1955年からはじまり、「5」が7%、「4」が24%、「3」が38%、「2」が24%、「1」が7%というように、割合が決まっていました。40人のクラスで通知表に「5」がつく生徒は最大で3人となります。
これに対して、現在の評価の仕方「絶対評価」はどこが変わったのか。
以前の通知表はクラスの中での順位を示すものでした。今は、生徒それぞれの具体的な目標をどこまで達成しているか、またはその過程が評価されます。極端に言えば、クラス全員がテストで100点を取れば全員が「5」もあり得るし、陸上競技が苦手な子でも努力次第では保健体育で「5」のチャンスがあることになります。
つまり、現代は「内申点」取りやすい時代と言えます。
「内申点」を取ることだけが勉強ではありませんが、孫子の『兵法』に「利に合えば而(すなわ)ち動き、利に合わざれば而(すなわ)ち止(とど)まる」という言葉があるように、内申点を取ることが、「自分にとって、有利か、不利か」で判断をして行動しましょう。
もう1つ大事なことがあります。
それは内申点を上げようと思ったら、「なぜ内申点を上げるのか」を決めておきましょう。「内申点」を取る目的です。いざというときの頑張り具合に差ができてきます。人間は軸があると頑張れるのです。
「○○高校に行きたいからオール4が必要」
「○○大学に推薦で進学したいから評定平均4.3はとる!」
など、自分がやりたいことから逆算をして、内申点の目標を設定しておきましょう。今から紹介する4つのポイントは、そんな目的・目標達成の過程で役に立つものです。
前置きが長くなってしまいましたが、ここからが本題。さぁ、参りましょう!
1、テストの点数
1つ目のポイントは「テストの点数」です。
当たり前でしょ、と思われるかもしれませんが、まずはここにしっかりとフォーカスすることが重要です。
内申点とテストの得点の関係性はイメージできるでしょうか。テスト自体の平均点にもよりますが、
概ね100~85点で評定「5」、85~70点で評定「4」
のように、学校ごとに(多少異なる)目安があるかと思います。(塾に聞いてみよう!)そこから、どうやってその点数を取るか、を考えるのです。その他、後述する「学校ごとに変動する要素」を情報収集しておいて、それを使って作戦を立てましょう。
例えば、国語で60点が目標点数であれば、40点分は間違えていいことになります。後述の「学校ごとに変動する要素」の中の「何が出るか」において、「実力問題(初見の問題)は20点分」という情報があって、本人が実力問題がとっても苦手な場合、何を前もって練習すればいいか明確になりますね。
この場合、本人にとって点数を短時間で上げることが困難な「実力問題」を繰り返し練習するよりも、まずは、必ず出るとわかっている学校で勉強した内容(例えば「走れメロス」など)を繰り返し練習しておいたほうが、「60点を取る」という目標に向かっては近道になります。時間的に余裕があれば、実力問題の対策を加えて行えばいいのです。
作戦が決まったら、後は勉強するだけ、問題を解くだけです。
作戦だけ決めて満足しないようにしましょう。
良い作戦は、良い結果を生みます。そして、勉強という名の種目の面白いところは、他のスポーツを比べて、能力や才能に左右される部分が少ないということです。きちんと作戦を立てて戦えば、誰もが成果を出せます。
「あなただからできない」、は勉強においてはほとんどありません。
「あなたならできる」、のが、勉強です。
学校ごとに変動する要素
・テストが簡単かむず歌詞か(塾でのどれ位のレベルの教材に相当するか)
・何が出るか(教科書から?プリントから?学校のワークから?それともそれ以上の内容が出る?実力問題[初見の問題]は出る?)
・誰が作るか(作る先生によって傾向が変わったりします)
2、授業態度
2つ目のポイントは「授業態度」です。
この「授業態度」で重要なことは、
「本人がどう思っているか」ではなく、「相手がどう思っているか」が大切だと言うことです。
「評価は他人の目が決める」と、元プロ野球選手で名監督の野村克也氏は言いました。まさにその通り。あなたの「授業態度」が良いか悪いかは、あなたではなく、相手が決めるのです。
座っているとき、肘をついていたり、ノートを書いていなかったなど、わかりやすく授業態度がなっていない場合は修正しやすいです。塾での授業中の指導で、すぐに直すことができます。
注意しなければならないのは、例えば、
「親切心から友達に勉強を教えている」→「しゃべっている」
「気分が悪くてジャージ姿」→「見栄えが悪く雑な印象」
など、本人の思いと相手の見方が異なっている場合です。
テストの点数が目安を超えているのに、なかなか内申点が上がらないという場合には、この「相手にどう思われているか・相手にどう見られているか」を、もう一度振り返ってみましょう。
中学生や高校生でこの「相手にどう見られているのか」を意識する力が伸ばせると、その後の人生でも色々と活用ができます。大人になっても大切な力です。
あなたがもし内申点がなかなか上がらない学生であれば、まずは、クラスの中で内申点が良さそうな子の行動を見て、なるべく真似をすることからはじめてみると効果的かもしれません。
「授業態度」の良い、悪い。これは「能力」の問題ではありません。「意識」の問題です。授業態度を良くすることは、誰にでもできることなのです。そして、前述のとおり、実はこの「授業態度」を学生期間の今、鍛えることが、その後の未来でも、人生を快適に暮らすための重要なポイントになります。
自分が相手にどう見られているか。
決して悲観的になりすぎずに、振り返ってみましょう。
3、提出物
3つ目のポイントは「提出物」です。
提出物はいわば先生との約束。約束を守らない子は、内申点が上がるはずもありません。
提出物は、完璧を求めなくていいです。それよりも、期限を守ることを最優先事項にしましょう。
課題がワークの場合、テスト内容とリンクしている場合もあるので、2周~3周解くことを繰り返せるとベストですが、何よりもまずはきちんと締切日までに提出すること。このことを意識して、提出物に取り組みましょう。
苦手な課題で、なかなかうまくできなかったとしても、提出することに意味があります。
「授業態度」と「提出物」が完璧であれば、評定「2」がつくことは、そうそうありません。
ただ、たまに、「入試直前の時期にこんな課題を出すなんて!」ということをやる、変わった先生もいらっしゃいます。ケースバイケースという言葉あります。優先順位で困ったときは、塾の先生に相談してみましょう。
4、先生とのコミュニケーション
最後のポイントは「先生とのコミュニケーション」です。
評定「5」がクラスの7%、評定「4」がクラスの24%と決められている中で、人と人を比べて成績を出す相対評価とは違い、生徒それぞれの具体的な目標をどこまで達成しているか、またはその過程が評価される「絶対評価」では、先生の個人的な価値観などが評価に関わりやすいという側面があります。
簡単に言ってしまえば、先生と仲良くなって損はなし、先生に良く見られて損はなし、というこです。
人というのはわかりやすい生き物で、こちらが相手を嫌いになると、多くの場合、相手もこちらを嫌いになります。「苦手な先生」や「嫌いな先生」とこちらがレッテルを貼ると、その先生もだんだんとこちらを嫌いになってくるので要注意。
でも、そうは言っても、人の気持ちのコントロールは難しいもの。
そんなときの対処法が「演じる」です。
言葉は悪いですが、人間関係形成の上で非常に大事なスキルになります。演じると言っても、役者のような仰々しい感じてはなくて、「苦手」や「嫌い」感を出さないように振る舞うということです。丁寧な言葉づかいで話をしたり、思い切って、授業のわからなかったところなどを質問に行ってみましょう。もしかしたら、だんだんと「苦手」「嫌い」感が払拭できるかもしれません。
なぜなら、嫌いなものを好きになるベストの方法は、「そのものを良く知ること」だからです。最初は「演じる」というフリから始めることですが、本当に好きになっていくというハッピーエンドを期待しています。
ただまぁ、合う合わないが必ずあるのが人間ですから、無理に好きになることはありません。
しかし、嫌いな先生に邪険な態度をとって、内申点まで下げて勉強嫌いになることほど、勿体ないことはありません。自分にとって、有利か、不利か、で判断をして行動しましょう。
学校は、勉強を学ぶ場ではありますが、同時に、コミュニケーションや集団での生活を学ぶ場でもあります。先生とのコミュニケーションを意識して、その力を伸ばしましょう。きっと、未来でも役に立ちます。
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いかがでしたでしょうか。
これらの4つのポイントを押さえて学校生活に取り組めば、内申点は自然と上がっていきます。内申点が上がれば、選択肢が増えていきます。未来のあなたが好きなことをやれるように、今、内申点を取る力をしっかりと伸ばしましょう。
繰り返しになりますが、言います。
勉強ができるできないは能力ではありません。あなたの意識一つで、あなたの努力一つで、成績は変えられます。
そのことを忘れないでください。
本日も出雲市の個別指導塾 すずかけの木にお越しいただきありがとうございました。4つのポイントが参考になれば幸いです。