
人は忘れる生き物です。
もしも人間が忘れない生き物だとしたらどうでしょう。
生きるのは楽になったのでしょうか。
いくつかの論文では、人が忘れなくなった場合、脳の情報処理が追いつかなくなり、他の部位に支障が出るといいます。
忘れることは大切なことなのです。
では、脳はどうやって忘れる情報を選ぶのでしょうか。その答えも先人たちが見つけてくれています。
脳は、「自分にとって関係のないもの」から忘れるのです。
逆に、好きなものや嫌いなものは残しておきます。感心があるものをしっかり保存しておいてくれるのです。
脳は意識したものをちゃんと残しておいて、それに似たものや、つながるものにはしっかり反応してくれます。
これはちゃんと忘れているからこそできることで、忘れていなければ全部に反応してしまって、感度が下がってしまいます。
意識されたものは、情報を自然に取り入れます。だから、どんどん知識が増えていきます。
子どもたちにとってのポケモン然り、
大人にとっての個々人の趣味然り、
好きなものや興味があるものって自然と覚えていきますよね。それには脳のそんな仕組みが関係しているのでした。
では、そんな「忘れる」仕組みを、勉強に活かしてみましょう。
好き!や、嫌い!といった感情とセットになるものは自然と覚えやすいとお伝えしましたが、勉強においてはなかなか感情と結びつけることは難しいです。
だから、もう一つの脳の仕組みを使います。
関心があるもの以外でも、脳が「これは捨てちゃいけないな」と認識するものがいつくつかあります。その一つが「繰り返し入ってくるもの」。
例えば「♪あなたとコンビに」と訊かれたら「ファミリーマート」と答えられるのも、この「繰り返し入ってくるもの」認識で、脳がその情報を捨てずに大切に扱っているからです。
これを応用すると、例えば1時間で何かを6ページ覚えるというとき、
1ページずつ10分じっくり見て覚えるよりも、
6ページを6分見るということを10回繰り返すほうが、脳的には覚えやすいわけです。
他にも、リズムやイメージを使って「これは捨てちゃいけないな」情報にするという方法もオススメです。
忘れるということは能力である。
そのメカニズムを把握した上で、勉強に役立てましょう。
「これはとっても大切な情報だよ」というメッセージを、感情やテクニックを使ってしっかり脳に伝えてあげましょう。
「何もかも全然覚えられないよ」というあなた。
脳がいっぱい忘れてくれているんですね。それはもしかしたら、あなたの脳がとっても優秀な証拠なのかも。
もしかしたらね…
本日も出雲市の個別指導塾 すずかけの木へお越しいただきありがとうございました。忘れるということは、素敵な人生を送るために大切なことかもしれませんね。