「メガフェップスダッパム」
皆さんはこの呪文をご存知だろうか。主に高校生がよく唱えます。今回はこの呪文が何なのか、探っていきたいと思います。
「メガフェップスダッパム」とは、英語の文法を覚えやすくするために使われる、昔からある語呂のようなものです。
動詞には、その姿形を変えることで、様々な品詞の働きをするものがあります。その中でも有名なのが、動詞変化四天王と呼ばれる(かどうかはわかりませんが・・・)4つの働きです。
動詞が変化し、形容詞の働きをする「分詞」。同じく動詞が変化し、副詞の働きをする「分詞構文」。そして、本当に危険なのは、toと一緒に使い、副詞や名詞や形容詞の働きをする「不定詞」と、ing形にして名詞の働きをする「動名詞」と呼ばれるものです。
「不定詞」と「動名詞」がなぜ危険なのか。
それは、「不定詞」も「動名詞」も名詞の働きをしますが、どんな動詞でも「不定詞」と「動名詞」の両方が使えるとは限らないのです。
動詞すべてからするとごく僅かにはなりますが、「どちらかしか使えない動詞」が存在します。
その中でも「動名詞」しか取らない動詞たちを「メガフェップスダッパム」という謎の呪文のように呼ぶのです。しかも徐々に長くなっているというから困ります。
「メガフェップス」→「メガフェップスダッパム」→「メガフェップスダッパムシー」
あれ?何か増えてる。
それでは、この「メガフェップスダッパムシー」を見ていきましょう。15の動詞から成ります。(動詞を「V」と表記します)
mind Ving・・・Vすることを気にする enjoy Ving・・・Vすることを楽しむ give up Ving・・・Vすることを諦める avoid Ving・・・Vすることを避ける finish Ving・・・Vすることを終える(終わらせる) escape being VPP・・・Vされることを逃れる(VPP:過去分詞) postohone(put off) Ving・・・Vすることを延期する stop Ving・・・Vすることをやめる deny Ving・・・Vすることを否定(否認)する admit Ving・・・Vすることを認める practice Ving・・・Vすることを練習する advice Ving・・・Vすることを忠告する miss Ving・・・Vすることを逃す(Vしそこなう) suggest Ving・・・Vすることを提案する consider Ving・・・Vすることを熟考(よく考える)する
頭文字を読んでいくと・・・「megafepsdapamsc」となるのです。
これが謎の呪文「メガフェップスダッパムシー」です。
ここで「不定詞」しか取らない動詞も一部ですが紹介しておきます。
want to V・・・Vすることを欲する(Vしたい) wish to V・・・Vすることを望む need to V・・・Vする必要がある plan to V・・・Vすることを計画する hope to V・・・Vすることを望む decide / determine to V・・・Vすることに決める learn to V・・・Vできるようになる manage to V・・・どうにかVできる
覚えておくと楽になるはずです。
しかし、覚えなくても「動名詞」「不定詞」には明確な使い分けがあります。
「動名詞」は、元々「進行性」というニュアンスを持っています。ですから、目的語(動詞の後に来るもの)が、「今行われている事柄」や「既に起こった事柄」であれば、「動名詞」使います。
「不定詞」は、元々「未定性・未来指向性」というニュアンスを持っています。ですから、目的語(動詞の後に来るもの)が、「まだ起こっていない(未来)事柄」や「未来への意志がある事柄」であれば、「不定詞」を使います。
これをしっかりと理解すれば、「動名詞」と「不定詞」の使い分けはできます。さらに、「動名詞、不定詞のどちらを取るかで意味が変わる」動詞というのもありますが、これにも対応は可能です。いくつか紹介しておきましょう。
remember Ving・・・Vしたことを覚えている・思い出す remember to V・・・(これから)Vしなければならないことを覚えている・忘れずにVする forget Ving・・・Vしたことを忘れる forget to V・・・(これから)Vすることを忘れる stop Ving・・・Vすることを止める stop to V・・・Vするために立ち止まる/立ち止まってVする regret Ving / having VPP・・・Vしたことについて残念に思う regret to V・・・これからVすることについて残念に思う・残念ながらVと言わねばならない go on Ving・・・Vしてきたことを続ける go on to V・・・(ある行動の後に)続けてVする try Ving・・・試しにVしてみる try to V・・・Vしようと努力する
今回は英文法の「動名詞」「不定詞」についてのお話でした。英語は暗記に左右されるものも多いのが事実ですが、ルール自体を知っていると覚えるのも簡単になります。ぜひ活用してみてください。
本日も出雲市の個別指導塾 すずかけの木へお越しいただきありがとうございました。