今回は模試の活用の仕方についてです。
早速参りましょう。
模試の見方を極めよう!注目ポイント①は点数・判定・偏差値
模試の返却後、塾に持ってくる生徒たちに「点数だけ見て一喜一憂しちゃだめだよ」と話します。点数に注目する気持ちはわかりますが、大切なことは他にもある。
そうは言っても気になるのは点数とか合否判定ですよね。なので、まずはここから見ていきましょう。ひとしきり確認をして、心を落ち着かせたら次に進みます。
非受験生の合否判定はまだまだ参考値の域を出ませんが、受験生の夏以降の時期の判定はやはりシビアに見なくてはなりません。志望校選びの最終決定を下すのも、模試の結果を踏まえてのことが多いですからね。
偏差値の欄も見てみましょう。
偏差値とは、集団の中での自分の位置を示す値のことです。簡単に言えば平均点を取った子は偏差値50です。40点が平均点のテストで40点を取った子は偏差値50、70点が平均点のテスト70点を取った子は偏差値50になります。
偏差値で注目して欲しいのは過去からの上がり幅、下がり幅です。過去の自分と比べてどういった推移で現在地にいるか。範囲や難易度も変化する模試の中で、ここが段々と伸びてきている場合は、日々の勉強が頑張れている証拠です。土台ができているからこそ、そこからのさらなる成長も見込めます。逆に、上下している場合や下がっている場合は、早急にその原因を突き止めて、対処することが重要です。詳しくは下記で話していきます。
「合否判定の数値を見て志望校に合格するかどうか」を判定するのは、その生徒の特性や勉強の仕方を見ていないと何とも言えないと思います。A君とB君が同じ判定だったとしても、コツコツやってそこに辿り着いたA君と、たまたまそこに至ったB君とでは、今後の進捗度合いが違ってきます。
何だかんだ模試の使い方を熟知しているのは塾の先生だと思います。もしも困ったらお近くの塾に相談に行ってみましょう。力になってくれるはずです。
模試の見方を極めよう!注目ポイント②はどこが出来てどこが出来ていないか
ここからが大事なところです。
模試によって多少の違いはありますが、出来ている所・出来ていない所を示す数値や自分が書いた答案があるかと思います。
まずは「間違えた箇所」に注目してみましょう。その間違いを大きく2つに分けます。「わからなくて間違えた」問題と「わかったけど間違えた」問題の2つです。
「わからなくて間違えた」問題は、準備不足です。どんな準備が足りなかったのか、突き詰めて考えてみましょう。
公式?単語の意味?語句の暗記?知識はあったけど使い方がわからなかった?それらを細かく分析して、似たような問題が次にでたときには正解できるように準備する。これが「勉強する」ということです。
「わかったけど間違えた」は俗に言う凡ミスやケアレスミスというやつです。ちなみに僕のこの凡ミスやケアレスミスという言葉が嫌いです。こう言うことでその間違いを軽視してしまうのです。「また凡ミスしたー」と笑顔で言う生徒には、「それが入試で、その一問のせいで不合格だったらどうする?採点者に凡ミスだから合格にして、って言うの?」とこちらは真剣な顔で話します。凡ミスをしたという生徒に限ってなかなかそういう間違いが減らないのは、その間違いを甘く見ているからです。「できるはずだった問題を間違えた」というのはとても危険なことです。
これも早急になぜその間違いが起こったのかを突き止める必要があります。精神的動揺?時間配分?途中式の書き漏れ?計算ミス?問題文の読み間違い?勘違い?その課題が発見できなければ次も同じことをする確率は高まります。逆に課題が発見できれば、解決策は見つかるものです。
どちらにおいても大切なのは「なぜ?」を「なぜ?」のままにしておかないことです。そこに成長のチャンスが隠されています。
『図形の問題ができなかった』→『図形の公式に誤りがあった』→『三平方の定理の使い方も微妙だった』→『補助線ってここに引くのか!』→解法を見て再度その問題を解き直し→わからなければ人に聞く→理解したらもう一度解き直し→★一人でできるようになったら似たような形式の問題演習→『あ、こっちの問題だと補助線はここに引くのか!』→『お、ここでは違う解法があるな。これも覚えておこう』→様々な問題演習→『わかってきたぞ!図形』→図形の問題ができるように!というプロセスです。
★の部分で「なかなか一人でできない」という問題は、易しめの類題で演習をして、知識と解法を頭に入れてから再度もとの問題にチャレンジをしてもいいでしょう。
また★で「どうしても一人で解けそうにない」という問題は、入試においては、目標点数に応じて飛ばすのもいいでしょう。合否だけを考えれば、100点満点を取らなくてもいいのが入試です。
ただ、入試に向けてでも、向けてではなくても、このプロセスにいかに貪欲になれるかが、勉強においていかに成長できるかのパラメーターになります。
どんなレベルでもこういった「課題」は見つかります。そこに立ち向かっていく強さを持つことが、さらなる高みへ行くための鍵になります。
「課題発見」→「克服・改善」のプロセスを繰り返しましょう。そのために模試は自分の課題が把握できる重要なアイテムです。
最期に「正解している」問題にも注目しましょう。ひとしきり自分を褒めた後、よーく確認してみます。「本当にわかってて正解したかどうか」をです。
マークシート方式では、偶然正解するということも結構あり得ます。模試も同様です。それが入試本番でできればいいのですが、勘で当たったものを再現できるかというと、なかなかそう上手くもいきません。
怪しい問題は、どうしてその答えを選んだかどうかを説明してみましょう。説明出来れば、本番も同様に正解できる確率が高いです。逆に説明ができなければ危険です。ちょっとでも怪しさを感じたら、改めて内容を確認するようにしましょう。
模試の活用法まとめ
「合否判定や点数はもちろん大事」
でも、「成長のためのキーアイテムとして活用することがもっと大事」。
例えば、あなたが入試前にいくら九九をやってもそこに大きな成長は見込めないでしょう。成長が最も見込めるのは、自分ができるかできないかギリギリの問題にチャレンジしているときです。そのギリギリを見つけるのに、模試はとっても役に立つのです。
「課題発見」→「克服・改善」のプロセスは、それこそ勉強だけではなくて将来のお仕事でも活用できる素晴らしいプロセスです。勉強しながら、そのプロセスを身につけてしまいましょう。
本日も出雲市の個別指導塾 すずかけの木へお越しいただきありがとうございました。全力で取り組むって、そのときもその後もとっても大事。