俺:「勉強した?」
あいつ:「いや、してない」
俺:「俺も、俺も(ちょっと安心)」
結果は、俺平均点以下。あいつ満点。
なぜだ。
なんて掛け合い形式でスタートしてみました。
今回はこんな現象について解説していきたいと思います。
「勉強した?」とついつい訊いてしまう諸君。良いことを教えてあげましょう。
大人でも子どもでも、やっている人ほど、「あんまりやっていない」とか言うものなのです。
それはなぜか?大きく分けて2つのパターンが予想されます。
嘘をついている場合(謙遜含む)
俺:「勉強した?」
あいつ:「いや、(本当はめっちゃ勉強してるけど、したとか言うと嫌なヤツっぽいから)してない」
1つ目のパターンは、こんな風に「嘘をついている」パターンです。
テストで高得点を叩き出す多くの「あいつ」は、空気を読むことにも長けているので、「俺」の「勉強した?」に含まれている同調を求めるニュアンスや勉強への敵対意識を感じ取り、ほぼ無意識にそれを合わせようとするのです。まぁ、ただ単純に答えるのが面倒くさいだけかもしれませんが・・・。
このパターンの場合は、「いや、全然時間がなくてちょっとしかできなかったんだよね」とご丁寧にも理由を付け加えたりもします。どこかにちょっとやましさもあるのでしょう。
もう一つのパターンも見てみましょう。
本気でそう思っている場合
俺:「勉強した?」
あいつ:「いや、(まだまだ不安なこといっぱいあるから)してない」
2つ目のパターンは、こんな風に「本気でそう思っている」場合です。
そもそも「勉強する」というのは抽象的な概念です。30分で「勉強した」とする人もいれば、「時間じゃなくて何を学んだかどうか」で「勉強した」とする人もいます。
極論を言えば、「テストの100点を目指しているわけではなくて、自分自身のために勉強している。自分が満足いく勉強はできていない!」から「勉強してない」となるわけです。
そもそも、見ているハードルが全然違うのです。
必要じゃないと思いますが、一応見分け方を話しておくと、こちらの場合は「本当に勉強してない」=「恥ずかしいこと」と思っているので、あんまり言い訳じみたことは言わない傾向があります。
では、そもそも「勉強した?」という質問に意味はあるのか
上記の通り、「してない」にも色んな「してない」がありますからね。
本当に勉強をしているのかしていないのか知りたい場合のこの質問にはあまり効果がなさそうです。
それでも「勉強した?」と訊きたいのであれば、挨拶程度に考えておくのがいいでしょう。
そして、そこから人間の多様性に気付けるといいかもしれませんね。
今回ダラダラと「勉強した?」という質問について話してきましたが、何が言いたいのかというと、
もしもその質問の影に「自分と同じように勉強していない族をみつけて安心したい」という意図があったなら、
そんな風に大事な勝負前にそれを確認している自分を恥じて、
次は、自分へのそんな質問に「勉強した!」と胸を張って答えられるようにしっかり準備をしておこうね、というお話でした。
本日も出雲市の個別指導塾 すずかけの木へお越しいただきありがとうございました。まぁ、でも訊く方にも訊く方の色んな「勉強した?」があるか。