あなたの身近でも起こるかもしれない、こんな恐ろしいお話をどうぞ。
世にも奇妙な勉強法 何かを写す男
「よーし、今日もめっちゃ勉強するぞ-」
そう意気込んだA君は、学校のワークをひたすら解いていました。ただ、自力ではわからないので、教科書を見ながらね。
「よーし、まだまだ勉強するぞ-」
次は塾のワークです。説明ページにちょいちょい戻りながら、ガツガツ問題を解いていきます。「あれ、俺めっちゃ頑張ってね?」とちょっとニヤニヤしちゃうくらいです。
「ふぅー、今日もめっちゃ頑張ったなー。この調子、この調子」
そんな調子で迎えたテスト本番。A君を待っていたのは、驚愕の事態でした。
「……全部わからん……」
返ってきたテストは燦々たる結果。A君は自分を呪います。
「あんだけ頑張ったのに…。俺はやっぱり馬鹿なんだ…。やっても無駄なんだ…。もう勉強やめちまおう……」
おしまい
教訓
上の図を見てください。これが正しい勉強です。
一旦自分の頭に情報をインプット。それを今度は問題演習でアウトプットしていきます。覚えると解くは別々なんですね。
ちなみに、A君がやっていた勉強を図にするとこんな感じです。
あらら、自分(の脳)完全無視ですね。見たとおり、自分の中に情報を入れていませんから、テストのときに出てくるわけがありません。
想像すると、恐ろしいですね。でも、この勉強法の真の怖さは、違うところにあります。
まず、「勉強した気にはなる」というところです。
勉強したのに結果が出ない→自分はやっぱりできない、なんて思考回路に陥って、勉強をやらない理由が増えてしまうんですね。こりゃ厄介です。
おいおい違うよ。そりゃ自分の能力のせいじゃなくて、自分のやり方のせいだよ。なんて誰も言ってくれませんから、心のパワーはどんどん弱り、勉強に手がつかなくなるわけですね。苦手だと思っているものに触れるってパワー必要ですからね。
そして、もっと怖いのは、この勉強法に慣れると、頭に負荷をかけることが億劫になるということです。いや、もうこれ超厄介です。
こうなってしまうと、さぁ大変。じゃあいざ勉強法を改善しようと思っても、頭に入れるインプットの作業が全然できなくなっているわけです。楽に慣れちゃってるんですね。
同じ授業を聞いても、覚えられない。単語練習をしても、覚えられない。漢字を書いても読んでも、覚えられない。だって、情報を取得する力が著しく弱くなってるからね。
できないからイライラしますよね。今度は正しい方法をやろうとしているのに、できないから、嫌になりますよね。行き着く先は、「やっぱり俺はできないんだ」というお決まりの思考パターンです。いやいや、違うんだってば!
楽してた分、苦労が必要なの!ブヨブヨのお腹のまま速く走りたいって言っても無理でしょ!まずは身体づくりが必要なのと一緒!インプットが正しくできる心と頭の状態を作りましょう。
何かを見ながら解く勉強、すなわち頭に負荷をかけずに解く勉強は、一度ハマってしまうとなかなか抜け出せない底無し沼のような勉強法。近くにやっている人を見つけたら、即刻注意してあげましょう。
本日も出雲市個別指導塾 すずかけの木へお越しいただきありがとうございました。 正しい勉強法も、辛いトレーニングも、「できる、できない」じゃない。「やるかやらないか」だよ。