いきなりですが、多くの場合、勉強に力が入るか入らないかは「その気になっているかどうか」が重要だと思うわけです。
成果を出す際に、能力というのはもちろん多少の影響はありますが、それよりもその気持ちの部分が大きいような気がしています。だからこそ、私たち大人は子どもを「その気にさせてあげる」ことが大切なのです。
そういえば前職時代にこんなことがありました。
勉強が大嫌いなTくん。特に数学が嫌いで、宿題忘れもひどく、学校での授業態度も悪いということでした。それが塾で相性の良い先生が見つかって、「やればできるから」という先生の言う通りに渋々勉強しだして、それが学校でタイミングよく計算の単元をやっているときだったこともあって、いつもよりテストが良い点数だったんですよね。そしたら。
途端に姿勢が良くなり、宿題忘れがなくなり、数学にのめり込みました。「わからない」と言っていたのも、「ここは××だから、この先は○○だと思うんだけど、合ってる?」と質問の仕方が変わり、じっくり考えるようになって、勉強時間も一気に増えました。
もちろんそんな調子ですから、次のテストで自己最高記録を更新。つられるようにして、他の科目も上がっていったとか。
これはもちろんTくん自身の素晴らしい努力の結果ですが、これって特別なことだと思いますか?僕はそうそう珍しいことではないと感じます。人はいつからでも、些細なきっかけで変わることができます。Tくんがそうだったように「その気になれば」ですね。
人が動くには5つの要素が大切だと言います。
・希望 ・危機感 ・正しさ ・気持ちよさ ・人の想い
T君が相性の良い先生(人の想い)や良い結果(やればできるという希望または気持ちよさ)に触れて「その気になった」ように、誰もがいつでも何かをきっかけにして「その気になる」ことができます。
「その気になる」ことさえできれば、成功も失敗も成長の糧にできますから、成長のスピードはぐんと伸びます。結果、成果が出せるわけです。
ただ、「よし、じゃあ目の前の生徒にその気になってもらおう」と思っても、人を変えるって本当難しいんですよね。子どもだけじゃありませんよね、大人だって変わるのは難しいです。周りは、あの手この手と試行錯誤し、その瞬間が来るのを心待ちにしながら、力を尽くすわけです。
中にはこの正反対のことをする人がいます。例えばTくんの例を使って説明しましょう。あくまでTくんの場合を想定して話しますね。
もしも、「お前は勉強できない」と最初から決めつけられていたらどうでしょう。せっかく1科目で良い点数を取ってきたのに、「まぁ、これは良いけど他がダメだからなぁ」という大人が近くにいたらどうでしょう。些細なことで人は変わりますが、それは良い方向にも悪い方向にもです。
もちろん、そんな言葉を糧にして頑張れる反骨精神の強い人もいるでしょう。これはあくまで僕が知っているTくんを想像しながらのたらればの話です。これは、人によって答えが違ってくるから難しいことなんですよね。
子どもに「その気になってもらう」ことは大変です。でも、それについて周りが頭を悩ませることも大切なことだと思います。勉強だけに限らず、子どもが「その気になれる」何かを見つけてもらうことは、大人の役目の一つかなと思います。
本日も、出雲市の個別指導塾 すずかけの木へお越しいただきありがとうございました。 些細なきっかけ一つで、いつでも人は変われる。